1974年。小学校時代に放映された宇宙戦艦ヤマト。管理人もテレビにクギ付けになった一人です。番組の最後に流れるテロップ。「地球滅亡まで、あと○○○日」。もしも地球が滅亡したらどうなるんだろうって、小さいながら疑問を抱いたのを覚えています。今朝、録画しておいたキムタク主演の実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を、オソルオソル観ました。セリフのクサさ、演技のクサさ、セットのクサさが、まるで戦闘シーンの砲弾のごとく、次々と襲いかかってきました。まあ予想していたので最後まで鑑賞。日本初のSFエンターテイメントに挑戦した映画としては、十分楽しめる映画でした。
でも気になったのは「自己犠牲」の強調でした。「地球を守るためには命は惜しまない」という大義名分の上に、主人公、そして彼を取り巻く戦友が、次々と「死」を顧みず敵に突撃する。挙句の果てには、敵のガミラスの戦闘機ですら、ヤマトに体当たり攻撃してくるありさま。旧日本軍の特攻隊とどこが違うのか、悩んでしまいました。阪神タイガースの元監督だった吉田さんがフランスの野球チームの監督に就任したときの話。送りバントのサインを出しても、ほとんどの選手がサインを無視してしまう。選手に問いただすと、なぜ自分が犠牲(アウト)になってまでランナーを送らなければならないのか、理解できないといわれたそうです。国柄によって「自己犠牲」の受け取り方が違うんですね。人類の最後の「希望」を託された宇宙戦艦ヤマト。結局、キムタク一人がヤマトといっしょに敵に体当たりして地球を救います。星の王子さまを書いたサン=テグジュペリの言葉。「人間が最後にかかる病気は、希望という病気だ」。
■「人はだれでもさよならをいうときには希望をいだく。たとえそれが人類最後の病気だとしても、「こんにちは」には無いはかないのぞみについて、ぼくはときどき考えないわけにはゆかないのである」/ふしあわせという名の猫(寺山修司)■