管理人の気まぐれ談話(3)神戸市灘区烏帽子(えぼし)町

兵庫県の知事がNHK大河ドラマ「平清盛」について、「画面が汚い」と苦言を呈し、物議をかもしました。 強引な政治や法皇の幽閉など、数々の悪行が目につく清盛ですが、旧態依然の体制に風穴をあけようとした革新的な一面もあったともいわれています。どちらにしても大河ドラマのお陰で、神戸が注目を集めているのはいいことですが・・・。

現在、管理人が拠点としている地元神戸市灘区。そこに烏帽子町という町名があります。全国では灘区と長崎・佐世保市の2箇所だけのようです。灘区烏帽子町は田んぼの形が烏帽子に似ていたのが由来だとか。烏帽子は公家や仕える人たちの日常のかぶり物でしたが、室町時代以降、一般にも広がり、江戸時代まで続きました。灘区にも平安の香りの漂う町名があるんですね。

・・・・・・私は、平清盛が政治家として、「何をなしたか」、ということが多く記述されず、「何をしなかったか」ということだけが議論されてきたところに、『平家物語』のある種のうさんくささを感じるのである。おそらく「悪人平清盛」というのも、百万人の読者の想像力のなかでのみ伝承されてきた一人の悪しき英雄の亡霊であって、実体はちがったものであったものと思われる。しかし、「実体などは、どうでもいい」というところに、歴史上の英雄伝の面白さと、そして悲惨さを感じないわけにはいかないのであった。
・・・・・・「月食機関説」平清盛の七つの大罪から抜粋/寺山修司

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管理人の気まぐれ談話(2) 劇場は宝箱

3月2日のうれしいニュース。日本アカデミー賞で故・原田芳雄が最優秀主演男優賞受賞。娘で女優の麻由さんが「父はいつも『映画館はおれたちの宝箱だ』と申しておりました。これからもたくさんの作品が世につながれていきますように」とコメント。涙をそそりますね。

3月2日の悲しいニュース。管理人のふるさと、東京・吉祥寺にある前進座劇場が来年1月で閉館、土地を売却することを決めました。座長は中村梅之助さん。かつて遠山の金さん捕物帳で一世風靡した役者です。前進座は昭和37年、世界でも珍しい稽古場と座員の住宅をあわせもつ研究所を建設。まさに歌舞伎、演劇界で前を進んでいた団体です。役者にとっての宝箱がまたひとつ姿を消してしまいます。ふと頭に浮かんだコトバ・・・「すべてのインテリは東芝扇風機のようだ。回っているけど前進しない」(寺山修司)。

私たちどんな場合でも、劇を半分しか作ることができない。あとは半分は観客が作るのだ。 ・・・・・・「迷路と死海」寺山修司

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あらゆる動きは止まりかたの一変形にすぎない

未来はいつも
ふたたび未来となることで

完結し
帰ってゆく、いつも
ふたたび過去となって

リチャード・ブローティガン
ここ東京の
田中未知の家で
ある五月の夜
一九八三年

訳/谷川俊太郎

寺山修司と親交のあった米国の作家・詩人のリチャード・ブローティガン。
代表作『アメリカの鱒釣り』で知られ、日本にもファンが多い作家です。
寺山修司の葬儀にも参列されたらしく、親交の深さを物語っています。
その際、追悼として書かれた詩です。
残念ながら寺山修司の亡くなった翌年9月、アメリカの自宅でピストル自殺しました。

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更新情報(2012/03/03)

  • メニュー「書籍」の中の「生前の書籍」を更新。
    年代別に分類し、寺山修司の年齢も併記しました。
    書籍一覧の灰色の文字の書籍は、管理人が所蔵していないものです。
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管理人の気まぐれ談話(1) ポケットに名言を

阪急グループの書店「ブックファースト」。関西だけでなく東京にも進出しているんですね。近年、管理人のふるさと、吉祥寺にも出店していると聞いて驚いています。知人から寄せられた情報です。阪急電鉄が駅で配布している無料の定期刊行物があります。その中のブックファーストのコーナーで寺山修司の「ポケットに名言を」(角川文庫/380円)を紹介していました。各店舗に特設コーナーを設けているようです。現在、入手できる彼の書籍の中で親しみやすい1冊です。彼が言葉の錬金術師と称される理由がわかると思います。管理人もおすすめです。
写真は現在発行されている角川文庫の表紙です。下の写真はこれまで発行された「ポケットに名言を」の表紙の数々です。

左:昭和55年発行の角川文庫の表紙
中:昭和47年発行「ポケットに名言を」
右:昭和45年発行「青春の名言・さびしい日のために」
初版「青春の名言」(大和書房)を2年後に「ポケットに名言を」へタイトルを変更して新装版として発行しています。

 

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